お肌の?(クエスチョン)

A4 無添加処方とはどういうものですか?

1 無添加処方とは

2001年4月の全成分表示以前は、約100品目の表示指定成分が人によってはアレルギーを起こす可能性のあるものとして薬事法により表示が義務付けられていました。

表示指定成分については7旧・表示指定成分とはなんですか?に詳しく書きましたので、こちらをご覧下さい。

この表示指定成分を配合していない化粧品という意味で「無添加処方」という言葉が使われますが、明確に定義されたものではありません。

2 防腐剤香料

表示指定成分については別途説明しましたが、代表的な防腐剤と香料について補足します。

(1)防腐剤
表示指定成分の約1/3を占め、それだけアレルギーを起こしやすいと言えます。
パラベンが代表的な防腐剤で、パラベンを入れないことをパラベンフリーというくらい、無添加処方では使用しません。
しかし、化粧品は使用前は勿論のこと、使い始めてから使い終わるまでカビの発生や腐敗を防ぐ必要がありますので、防腐剤は重要な成分です。
パラベンの代わりにフェノキシエタノールのような表示指定成分ではない防腐剤を使うこともありますし、菌増殖を抑制できる洗浄成分や保湿剤で目的を達することもあります。
詳しくは防腐剤の項をご覧下さい。
(2)香料
香料は気持ちをリラックスしてくれますので、化粧品には重要な成分の一つですが、一般には無添加処方では配合しません。
香料は天然系であれ、合成系であれ、多くの化合物が混合されているものです。
このため人によってはアレルギーを起こす物質が含まれていることがあるので配合しない訳です。
詳しくは無香料の項 をご覧下さい。

3 無添加処方なら安全なのでしょうか

表示指定成分のところでも触れたように、無添加処方だから必ずしも安全とは言えません。しかし、一般に敏感肌用化粧品では表示指定成分を使いませんので、安全であるための一つの条件は満たしている程度と考えるのが良いと思います。

実際に配合設計する立場からみますと、低刺激性、低アレルギー性を徹底追究して素材を選定すると、表示指定成分が入ってくる余地がなく、自然に無添加処方になってしまいます。

4 無添加処方の効果

無添加化粧品で有名なF社は約20年で大手化粧品会社の一つに発展してきましたので、この会社の無添加処方はお客様の信頼を得るだけの実績があったと考えられます。

創立当初、防腐剤を入れないで、アンプル入りで化粧品を販売したのは語り草になっています。

5 その他の無添加

表示指定成分以外にも色々な無添加(例えば防腐剤、増粘剤、増泡剤、シリコーンポリマー、油など)があります。

6 評論のための評論に注意しましょう

“無添加処方は必要な成分を使っていないので、安全どころか却って危険である”との論を展開しているものがあります。
一見もっともらしい話しに聞こえます。

表示指定成分を避けても、素材はいくらでもありますので、必要とする成分を入れないような配合設計者は、先ずいないと思います。

もの作りがわかっていない人が勝手な評論をするのは困りものです。


参考資料
*1 FragranceJournal 29(9)、40(2001)

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