お肌の?(クエスチョン)

A1 フケはどうしてでるのですか?

1 ある程度フケは出るもの

まず、私達の皮膚は約28日サイクルで生まれ変わっていることを知っておきましょう。

皮膚の表皮細胞は徐々にせりあがり、やがて最も外側になった角質層の細胞(角化細胞)がはがれてきます。 これは死んだ細胞で、垢(アカ)と同じことですが、頭皮から出るものをフケと呼びます。このこと自体は、からだの代謝の結果として起こる自然な現象なので、あまり気にし過ぎてもいけません。 どのくらいフケがでるものなのか考えて見ましょう。 頭皮の面積はおおよそ600平方cmで30日サイクルとすれば、1日20平方cmが更新されていることにます。 フケの大きさを2mm四方と仮定すれば、その面積は4平方mmとなり、毎日250個のフケが出る計算になります。

計算通りとは言えませんが、結構出るものだとおわかりいただけると思います。 シャンプーする時に頭皮をマッサージするように揉み洗いするのは頭皮の血行をよくするだけでなく、フケを目立たなくする効果もあると思います。

ところが、皮膚への刺激や菌の繁殖などにより、皮膚の更新のサイクルが速くなること(亢進すると言います)こともあり、この時にフケ症といいます。

2 乾性のフケの原因と対策

乾性のフケはパラパラと落ちてくるフケのことです。脱脂力の強いシャンプーで洗い過ぎると、頭皮の乾燥が進んでフケ症の原因になります。現に、使用する界面活性剤によりフケの発生速度が異なると言う研究報告も出されています。(*1)毎日洗髪するのは、フケを目立たなくすることと、フケ菌の繁殖を防ぐ点では良いことですが、洗浄力がマイルドで保湿力のあるシャンプーを使わないとフケを増やすこともあります。

3 脂性のフケの原因と対策

男性などで皮脂の分泌の激しい方は、皮脂を好むカビ(真菌)の一種が繁殖して皮膚の更新のサイクルが著しく速くなります。

この場合には殺菌剤入りのシャンプーを使用するのが一般的で、殺菌成分としてはジンクピリチオンなどが使われていました。最近では、このようなカビ(真菌)によるフケの場合は、その繁殖を抑える働きのある成分(硝酸コナミゾール)配合のシャンプーも開発されています。商品としては 持田製薬コラージュフルフル(硝酸ミコナゾール配合)などがあります。

4 その他の原因

皮膚に関することですから、過労、ストレス、睡眠不足などもフケ症の原因になります。バランスのとれた食事をすることも大切です。

5 シャンプーでできること

原因をご覧になっておわかりのようにシャンプーで解決できる部分が大半です。 マイルドなシャンプーで、もみ洗いした上で必要により2回洗いをすると効果的です。脂性のフケと思われるときは、フケとりシャンプーを使われると良いと思います。それでも解決しない時は医師に相談することをお勧めします。


参考資料
*1 宮澤清ら 油化学 38 33(1989)
*2 田村健夫、廣田博共著 香粧品科学
*3 日経 2001.1.15.の記事 今様養生訓 フケ

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